100キロウォークに参加するからには、誰もが完歩したいと願うことと思います。
が、実際の完歩率は70%台となっています。
では、完歩できない理由は何でしょうか?
事前のトレーニング不足に依るものが一番ですが、それ以外にもあります。
それは、
- 装備(服装、シューズ、持ち物)
- 大会当日までの過ごし方
- トラブル対策
です。
本記事では、サイト管理人自らの経験を踏まえ、これから初めて参加する人にも判りやすく解説していきます。
尚、100キロウォークの練習方法については、こちらの
100キロウォークの練習なしはNG?完歩するためのコツや歩数・難易度も解説
を参照願います。
100キロウォーク完歩の難しさとは何?
100キロウォーク完歩の難しさは、距離の長さ以外に行動時間の長さ(制限時間で24~28時間)があります。
休憩は各自判断で摂るとはいうものの、ほぼ一昼夜歩くことなるので体調管理維持やペース配分にも気を遣う必要があります。
大会サポートがあると言っても基本的には準備も含めてトラブル対処も自分自身で行うことが前提です。
では、大会当日の服装や持ち物、シューズ選び、トラブルが起きた時の対処はどうすればいいでしょうか?
それぞれ個別に解説します。
服装と持ち物について
比較すれば短時間決戦とも言えるマラソンとは違い、前にも説明した長距離&長時間となる100キロウォーキングでは、マラソンとは異なる工夫が要ります。
服装について
春~秋の季節におけるウォーキングでは、各人の好みやスタイルによって大きく差が出る処かと思います。
また、動きの激しいスポーツではありませんので普段着ているスポーツウェアの延長でも十分対応可能です。
ですが、いくつかポイントを挙げるとすれば、
- 薄いものの重ね着で体温調整をする。昼間と夜の気温差が大きい時もあるので。
- コンプレッションアンダータイツは脚の疲れ防止に有効。日焼け防止にもなる上に発汗作用もあります。
- 初夏~初秋の日焼け対策には、アームカバー併用で荷物軽減可能。
持ち物について
貴重品や常時服用薬などの個人判断に委ねるものは除いて、100キロウォークで特に必須となるものを挙げてみます。
中分類 | 小分類 | 分量 | 理由など | 備考 |
---|---|---|---|---|
飲料 | 水 | 0.5~1.0L | 脱水防止、喉が渇く前に補給する 大会が用意する給水所はサブと考える | 夏場にはもっと多めに |
携行食 | 市販のアミノ酸ゼリーやバナナ | 各自で判断 | エネルギー不足に備える 糖質の多いもの | 洋菓子系よりも和菓子の方が外気温に影響されない |
医薬品 | ロキソニン | 2錠 | 鎮痛対処 | |
医薬品 | 芍薬甘草湯 | 2包 | 足攣り対処 | |
医薬品 | プロテクトJ1 | 1本 | 靴ずれ防止 | 詳細はトラブル対策にて詳述 |
医薬品 | 針、絆創膏 | 1本及び数枚 | マメ処置用など | |
医薬品 | テープ | 適宜 | ||
安全装備 | ヘッドランプ | 1台 | 夜間歩行での安全確保 | 予備電池も |
安全装備 | 反射タスキ | 1本 | 夜間歩行での安全確保 | 大会で支給される場合もあり |
衣類 | 予備ソックス | 1足 | 靴ずれ、マメ防止 | 濡れ対策 |
衣類 | 手袋、ネックゲーター | 各1 | 防寒対策 | 春、秋では要るときあり |
衣類 | ウィンドブレーカー | 1枚 | 防寒対策 | 日夜の温度差に対応 |
衣類 | 雨具 | 1セット | 雨対策 | 詳細はトラブル対策にて詳述 |
当然、これらを収納&携行するためにザックが要りますが、サイト管理人はトレラン用ザックを愛用しています。
ザック自体が軽い上に丈夫な作りで収納が工夫されています(ペットボトルポケットなど)。
シューズ選びについて
マラソンや登山、ハイキングと同様にウォーキングにおいてもシューズは重要です。
ですが、100キロウォークでは自分に合っていれば何であっても問題ありません。
草鞋で歩くツワモノもいるくらいですから。
とは云っても、足に合っていないシューズでは100キロ完歩はまず不可能です。
その理由は、靴擦れとマメにより歩行どころではなくなるからです。
では、どういうシューズを選べばよいでしょうか?
サイト管理人自身がいくつか試した経験から言うと
市販されているウォーキング専用シューズは、作りが固く丈夫で防水性もあるが、反面、中が蒸れやすいので長距離には向かない(散歩程度なら良し)。
ハイキングシューズは、100キロウォークには不向き。大体は舗装路や整地された路面を歩くので少々重い。
ランニングシューズがベスト。但し、有名メーカー品でも作りに差があるので最低でも店頭での試し履きは必要です。
シューズ選びのポイント
新調するのなら店頭での試し履きは必須で、ウォーキングで履いているソックス持参で午後に行くのが良いでしょう。
基本は普段の靴選びと一緒で、履いてみてきつくても緩くてもダメです。
もし店頭にシューフィッターさんがいるのなら、メーカー別のランニングシューズの違いを訊けると参考になります。
例えば、NBは幅広の足の人に適しているとか、メーカーごとのソールの違いとか。
そして実際に40~50キロほど歩いてみて指先や踵などに擦れや当たる所が無いかをあらかじめ確認しておくことも重要です。
大体は痛みが出るか膨れが出来ているので、この時点で対策しておかないととても100キロは完歩できません。
そうなった時にどうするか?
方法は2つです。
1.インソールやソックスで調整する
足裏のフィット感やつま先の浮きはインソールや指のテーピングで調整します。
シューズ全体のフィット感はソックスの厚みで調整してみます。
2.別のシューズにする
どうしても合わないようだったら、別のメーカーのシューズを新調するというのも手です。
これもテストウォーキングしてみて履き具合を確認します。
シューズの履き方
実際にウォーキングするにあたり、シューズの履き方にも注意を払ったほうがベターです。
履き方というよりは、靴紐の結わえ方と言った方がいいかもしれません。
意外と知らない人が多いです。
- 地面に腰をおろし、膝とカカトを90度に曲げてシューズを履く
- 最後のシューズホールには、靴紐を写真のように通す
- 甲の部分をあまりきつく締めないようにして紐を結ぶ
こうすることで足の動きで靴紐のXXが分散され、一部だけ紐がきつくなる状態が避けられます。
大会前~当日までの過ごし方
アスリート並に気を遣う必要もありませんが、完歩を確実にするには出来れば大会前~当日の過ごし方にも注意を向けた方がベターです。
大きくは、3つの期間で分けてみます。
・大会~1週間前
炭水化物多めの食事で栄養を蓄えます。
翌日に疲労が残るような激しい練習も中止します。
・大会~前日
タンパク質重視の食事で脂肪分は出来るなら少なめに。
消化不良を予防して、大会に向けて内臓の調子を整えます。
また、飲酒を控えて水分を多めに取ります。
・大会~当日
朝から水分を多めに摂ります。
トイレを控えるよりは、余剰の水分を事前のトイレで排出するくらいで丁度良いです。
大会中の脱水予防のためです。
また、大会のスタート時間にもよりますが、しっかりとした食事を大会開始2時間前には終えておいた方が良いです。
また大会直前に少々のアミノ酸や糖質を補給しておくとベターです。
トラブル回避方法
練習や服装含めた準備がいくら万全でも、時に起きてしまうのがトラブルというものです。
持ち物や服装でも少々触れましたが、事前のトラブル予防と発生後のトラブル対処という観点で個別のケースについて解説します。
雨対策
ウォーキングに限らずアウトドアイベントで一番影響されるのが雨ではないでしょうか。
ハイキング用の上下レインセットでもOKですが、荷物を軽くするために100均のポンチョや90Lのゴミ袋に頭と腕用の3箇所の穴を開けたものでも代用できます。
一番の問題は靴が濡れることで、これは靴擦れやマメに影響します。
ウォーキング用のレインカバーなるものも市販されていますが、足が入るゴミ袋を用意しソックスを履いてゴミ袋、シューズを履いてしまうのも手です。
非常に蒸れやすくなるので乾いた替えソックスを用意しておき、適宜履き替えます。
脱水やエネルギー不足
行動時間が長いため、スタート前の補給だけでは不十分です。
水分不足の影響は、足攣りの原因や脱水による熱中症につながります。
また、栄養不足は、パフォーマンスの低下につながります。
大会にはエードステーションがあったりしますが、これをアテにしすぎると自分のペースを乱してしまいます。
水分は喉が渇く前、栄養も空腹を感じる前に摂取するのが基本です。
持ち物の章でも触れましたが、携行食としては市販のスポーツ専用品でもOKですが、和食系スイーツがおすすめです。
羊羹やミニどら焼き、干しいもなどは、寒くても固くならず、熱くても溶けない上にそこそこ水分もあるので食べやすいというメリットもあります。
脚攣り
脚攣りの原因はいくつかありますが、攣る部位はウォーキングの場合はふくらはぎと前モモが多いかと思います。
原因としては疲労の蓄積によるものが大きいですが、水分不足や冷えによることもあります。
なので、暑い時期は水分補給をマメに行い、寒い時期は足を冷やさないようにレイヤーで調整します。
もし攣ってしまったら、芍薬甘草湯を服用して様子を見ます。
改善すればラッキーです。
靴擦れやマメ
シューズ選びの章でも解説しましたが、シューズとの相性、インソールの併用やテーピングで対策しておきます。
それと市販のプロテクト1という靴ずれ防止クリームを大会前に足全体に刷り込んでおくと予防出来るようです。
更にウォーキング中も10~20キロごとに靴下を脱いで足のチェックをすることをお薦めします。
蒸れたソックスの交換やテーピングの修正、プロテクト1の増し塗りなど、靴擦れやマメの出来る前に対処しておくと万全です。
もしそれでも靴擦れ・マメが出来てしまったら、
- 靴擦れ:絆創膏やテープで保護
- マメ:持参の針で水疱の水を抜き、やはり絆創膏やテープで保護
あとは痛くても耐えて完歩するか否かです。
これらが原因で歩き方が変わり、膝痛や股関節痛を引き起こして途中でリタイヤという話も聞きますので対策はバカに出来ません。
100キロウォークの服装や持ち物は何?まとめ
いかがでしたでしょうか?
100キロウォークして何なのか?
出てみると判りますが、結構辛いです。
でも、完歩した時の達成感、これに尽きますね。
では2024年の佐久市強歩大会、ぐんま100キロウォークで逢いましょう。
こちらも参照ください。
100キロウォークの練習なしはNG?完歩するためのコツや歩数・難易度も解説